
液晶画面付きで、紙に絵を描くかのようにデジタルイラストを描ける「液タブ(液晶タブレット)」。今やデザイナーやイラストレーターといったクリエイティブな仕事の必需品です。
しかし、近年では販売されている種類が非常に多く、どれを選べばいいのか分からない方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、おすすめの液タブをご紹介。初心者におすすめのモデルからプロ志向の方におすすめの液タブまでをピックアップしています。液タブの選び方も解説しているので、自分にピッタリの液タブをお探しの方は、ぜひご覧ください。
液タブはどうやって選べばいい?
液タブを選ぶ際には、下記のポイントをチェックするのがおすすめです。
- 筆圧検知レベル
- 傾き検知
- スタンド
- ダイレクトボンディング加工
- OS搭載
それぞれ順番に紹介します。
筆圧検知レベル
筆圧検知レベルとは、ペンを画面にあてたときの力に応じて、描写する線の太さが反映される機能のことです。筆圧検知レベルが高ければ高いほど、力の入れ具合に応じて線の太さを繊細に表現できます。
現在販売されている液タブの筆圧検知レベルは、1024レベルから8192レベルの間で分かれています。イラストをより細やかに表現したい場合は、8192レベルのモデルを選ぶのがおすすめです。
とはいえ、個人によって好みの書き心地や設定が大きく異なります。高い筆圧検知レベルが必要な人もいれば、筆圧検知レベルがない方が描きやすい人もいるため、実際に家電量販店などで試し書きしてみるのがおすすめです。
傾き検知
傾き検知機能は、画面にペン先が触れる角度を読み取る機能のことです。傾き検知機能を備えていれば、ペンの傾きで線の太さや濃さを変えられます。鉛筆を傾ければ広範囲を黒く塗れるし、立てれば細く描けるようなイメージです。
傾き検知機能が高ければ高いほど、ペンの太さや濃淡を細かく変えられます。傾き検知機能がないものは線の太さや濃淡を、必要に応じて何度も変更する必要があるため手間がかかって大変です。できるだけストレスフリーに液タブを使いたい方は、傾き検知機能を搭載しているものを選ぶのがおすすめです。
スタンドは必須!
液タブは、スタンドが付属しているモデルがおすすめです。スタンドなしのタブレットで座って絵を描く場合、視点によって描いている最中の絵と出力された絵に差異が生まれやすくなってしまいます。せっかく完成した絵が「描いていたときの絵と違う」というストレスを抱えるおそれがあるため注意が必要です。
また、液タブにスタンドがあると、長時間にわたって絵を描く際に首や肩にかかる負担を軽減できます。机の上に置いた液タブで絵を描く際には、液タブをのぞき込むような姿勢になりますが、スタンドがあれば背筋を伸ばして作業できるからです。
スタンドがないモデルを選ぶのであれば、別途購入することをご検討ください。
フルラミネーション加工
フルラミネーション加工の有無も確認するのがおすすめです。
先述した通り、液タブ画面と完成した絵に差がある場合があります。液タブは液晶の上にガラスがあるため、ペン先と描いた線がずれる「視差」が発生するためです。
フルラミネーション加工は、この視差を軽減してくれます。紙の上で描いているかのように描きたい場合、フルラミネーション加工が施されたモデルを選ぶのがおすすめです。ただし、その分高価になるのでご注意ください。
OS搭載モデルでパソコン不要で使える
液タブの中には、OSを搭載していてパソコンがなくても使えるモデルがあります。大きなiPadのようなイメージです。液タブに搭載されているOSはWindowsのみですが、液タブ単体でも使用できます。(モニターと接続して使用することも可能です)
ただし、OS搭載モデルはOS非搭載モデルと比べて高額になります。また、絵の発色にこだわりたい場合は、パソコンに接続して使用するほうが、より色調豊かに表現できるモデルがあるのでおすすめです。
人気メーカー別おすすめ液タブレット!
人気メーカー別におすすめの液晶タブレットを紹介します。
紹介するメーカーは下記の4つです。
- ワコム
- XP-Pen
- HUION
- GAOMON
特にワコムは初心者におすすめです。順番に紹介するので、ぜひご覧ください。
ワコム|Cintiq 16
引用元:Wacom
ワコムでおすすめのタブレットは「Cintiq 16」です。機能は最小限に抑えながら、定評のあるワコムの滑らかな描き心地を実現しています。液タブを使ったことのない初心者だけでなく、上級者にもおすすめです。
エントリーモデルながら、プロ向けモデルと同じWacom Pro Pen 2を採用しており、繊細なタッチを実現しています。ペンの傾き検知や8192レベルの優れた筆圧検知なども備えているため、普段アナログでイラストを描いている人でも違和感なく描くことが可能です。
モデル名 | Cintiq 16 DTK1660K0D |
参考価格 | ¥74,580 |
インチ数 | 15.6型 |
応答速度 | 25ms |
筆圧検知レベル | 8192 |
XP-Pen|Artist13.3 Pro
引用元:XPPen公式サイト
XP-Penでおすすめの液タブは「Artist13.3 Pro」です。8192の高い筆圧検知レベルと傾き検知機能、視差を低減するフルラミネート加工、優れた色精度など、高い性能を備えています。パソコンと接続するだけで使えるので、ケーブル周りがシンプル。画面は13.3インチとコンパクトなので、作業エリアをスッキリ使いやすくしてくれます。これらの性能を備えていながら、価格は3万円台と比較的購入しやすいことも魅力です。
モデル名 | Artist13.3 Pro |
参考価格 | ¥34,980 |
インチ数 | 13.3インチ |
応答速度 | 25ms |
筆圧検知レベル | 8192 |
HUION |Kamvas Pro13(2.5K)
引用元:HUION
HUION でおすすめの液タブは「Kamvas Pro13(2.5k)」です。液晶ディスプレイは2.5K解像度を誇り、さらに色域が広いため、画像をより高精細・色調豊かに映し出します。ディスプレイには反射を防止するエッチング加工と視差をほぼ無くすフルラミネート加工を施しており、描きやすさも抜群。初心者だけでなく、中上級者にもおすすめです。
モデル名 | Kamvas Pro13(2.5K) |
参考価格 | ¥49,999 |
インチ数 | 13.3インチ |
応答速度 | 25ms |
筆圧検知レベル | 8192 |
GAOMON|PD156 PRO
GAOMONでおすすめの液タブは「PD156 PRO」です。15.6インチと大きめサイズの液タブながら、3万円台と低価格で購入できます。性能は筆圧検知レベル8192や傾き検知、フルラミネーション加工など、液タブに求められる性能を網羅しており、コストパフォーマンス抜群です。厚さ12.5mm、重量1.3kgなので、液タブを持ち運びたい人にもおすすめです。
モデル名 | PD156 PRO |
参考価格 | ¥34,199 |
インチ数 | 15.6インチ |
応答速度 | 25ms |
筆圧検知レベル | 8192 |
初心者向け液タブ5選
初心者向けの液タブとして、扱いやすくどこでも持ち運びやすい液タブを紹介します。
ワコム|Wacom One
引用元:Wacom
「Wacom One」は、ワコムの初心者向けモデルです。ワコム製品の中で比較的安い製品ながら、筆圧検知レベルが4096で±60°の傾き検知機能も搭載。ワコムらしい紙に描いているような描き心地を実現しています。また、一部のAndroidデバイスでも使用できるため、パソコンなしで使用できる点も魅力。13.3インチとコンパクトなので、どこでも創作活動を楽しめます。
モデル名 | Wacom One |
参考価格 | ¥42,900 |
インチ数 | 13.3インチ |
応答速度 | 26ms |
筆圧検知レベル | 4096 |
XP-Pen|Artist 12セカンド
引用元:XPPen公式サイト
「Artist 12セカンド」は、11.9インチのコンパクトサイズの液タブ。スペースの少ないデスクでの使用や持ち運びに便利です。表面にフルラミネーション加工を施すことで、ペン先とカーソルの視差を軽減しており、より正確にイラストを描けます。4色のカラーバリエーションで展開しており、好きなカラーを選べることもポイント。2万円台のお手頃価格も魅力です。
モデル名 | Artist 12セカンド |
参考価格 | ¥29,980 |
インチ数 | 11.9インチ |
応答速度 | 25ms |
筆圧検知レベル | 8192 |
HUION|Kamvas 13
引用元:Huion
「Kamvas 13」は初心者におすすめの液タブです。ディスプレイは13.3インチのフルHDを採用。表面にフルラミネーション加工を施しているため、視差を最小限に抑えています。プログラム可能な8つのハードキーも搭載しており、ズームやブラシ切り替えといった機能を割り当てできるので、効率よく作業可能です。
モデル名 | Kamvas 13 GS1331 |
参考価格 | ¥35,999 |
インチ数 | 13.3インチ |
応答速度 | 25ms |
筆圧検知レベル | 8192 |
GAOMON|PD1161
引用元:GAOMON公式ホームページ
2万円台で購入できるコストパフォーマンス抜群の液タブ「PD1161」です。11.6インチとコンパクトなサイズで、バッテリー不要のペンが付属。いつでもどこでもイラストを描くのに役立ちます。筆圧検知レベル8192と傾き検知機能など性能も充分。ただし、スタンドがないため、必要であれば別途購入する必要があります。
モデル名 | PD1161 |
参考価格 | ¥21,999 |
インチ数 | 11.6インチ |
応答速度 | 25ms |
筆圧検知レベル | 8192 |
XP-Pen|Artist 10 セカンド
引用元:XPPen
とにかくコンパクトな液タブをお探しの方におすすめの「Artist 10 セカンド」。10.1インチと超コンパクト。慣れるまで描きづらいかもしれませんが、デスクのスペースが少ない、どこへでも持ち運びたい、といった場合に便利です。また、モニターとしても利用可能で、スマホやゲームとつなぐと、動画やゲームを大きな画面で楽しめます。
モデル名 | Artist 10 セカンド |
参考価格 | ¥26,980 |
インチ数 | 10,1インチ |
応答速度 | 25ms |
筆圧検知レベル | 8192 |
プロ志向向け液タブ5選
次にプロ志向の方向けの液タブを紹介します。描きやすい広さがある液タブから、高精細で色域の広いモデルを選定しています。
ワコム|Cintiq Pro 16
引用元:Wacom
ワコムでプロ仕様の液タブをお探しの方におすすめの液タブが「Cintiq Pro 16」。4K液晶を搭載している分、液晶の描写は高精細です。Adobe RGBカバー率が98%のため、実際の色味とほとんど同じ。出力後に色味がイメージと違うといった事態を防げます。また、ペンの追従性や反応速度が高速。視差もほとんどなく、ワコムならではの紙で書いているかのような圧倒的な描き心地を楽しめるのも嬉しいポイントです。
モデル名 | Cintiq Pro 16 |
参考価格 | ¥217,800 |
インチ数 | 15.6インチ |
応答速度 | 30ms |
筆圧検知レベル | 8192 |
XP-Pen|Artist Pro 16 TP
引用元:XPPen公式サイト
4K液晶ディスプレイを備えた液タブです。4Kの高精細な描写に加え、Adobe RGB92%・sRGB124%と色域が広いため、仕事での使用にも耐えられます。マルチタッチ機能も搭載しており、直感的でシームレスな操作が可能です。画面にフルラミネーション加工を施しているため、視差がほとんどなく、自然な感覚でイラストを描けます。
モデル名 | Artist Pro 16 TP |
参考価格 | ¥118,000 |
インチ数 | 15.6インチ |
応答速度 | 25ms |
筆圧検知レベル | 8192 |
HUION |Kamvas Pro 16 Plus(4K)
引用元:HUION
4K液晶と色域の広さが魅力の液タブ。4K画質で絵の細部まで鮮明に映し出し、sRGB145%と非常に広い色域で自然な色合いの描写を実現しています。筆圧は8192レベルで検知し、傾き検知機能も搭載しているので、描きやすさも魅力です。ラミネーション加工により、視差もほとんどありません。本体は電源ボタンのみのシンプルなデザインのため、効率的に作業したい方はショートカットツールを用意するのがおすすめです。
モデル名 | Kamvas Pro 16 Plus(4K) |
参考価格 | ¥99,999 |
インチ数 | 15.6インチ |
応答速度 | 25ms |
筆圧検知レベル | 8192 |
GAOMON|PD1610
引用元:GAOMON公式ホームページ
2.5Kの解像度とsRGB120%を備えた16インチの液晶モニターにより、細部までしっかり見える液タブ。画面にフルラミネートアンチグレアガラスを採用することで、視差や反射を抑え、仕事中の目の疲れを防ぎます。さらに、アスペクト比を一般的な16:9よりも縦の表示領域が広い16:10とすることで、ズームアウトや上下のスクロールの手間を減らせることも魅力。快適に作業を行ったり、より広い視野を楽しんだりすることが可能です。
モデル名 | PD1610 |
参考価格 | ¥73699 |
インチ数 | 16インチ |
応答速度 | 26ms |
筆圧検知レベル | 8192 |
ワコム|Wacom MobileStudio Pro 16
引用元:Wacom
Window OSを搭載したワコムのクリエイティブタブレット。外出先でもメインPCに劣らない処理能力を備えており、家でもオフィスでも活躍します。ワコム最新のペンセンサーWacom Pro Pen 2に対応しており、ワコムの抜群の描き心地を楽しめるのも魅力。どこでも自由に創作活動をしたい方におすすめの液タブです。
モデル名 | Wacom MobileStudio Pro 16 |
参考価格 | ¥360,800 |
インチ数 | 15.6インチ |
応答速度 | 25ms |
筆圧検知レベル | 8192 |
初心者は液タブと板タブどっちがおすすめ?
デジタルイラストを描けるタブレットとして、液タブ以外では板タブ(板タブレット)が有名です。板タブには液晶画面がないため、パソコンに接続して使用することが前提です。板タブで描いた絵がパソコンのモニターに反映される仕組みとなっています。
デスクスペースがあるなら液タブ、スペースがない人には板タブをおすすめします。板タブは描く場所とモニターが離れているため、思い通りに描くのが難しいのが難点です。ただし、板タブは液タブと比べて軽量コンパクトなので、デスクのスペースが少ない人に向いています。また、板タブのほうが安価なため、できるだけ安くデジタルイラストを始めたい人も板タブが選択肢に入ります。
ただし、どちらを選んだとしても、デジタルタブレットで絵を描くには慣れが必要です。始めたばかりだと、イメージ通りに描くことができずにストレスに感じるかもしれませんが、慣れるまで根気強く描き続けることをおすすめします。
まとめ
液タブについて紹介しました。最後に記事の内容を振り返りましょう。
液タブを選ぶ際には、下記のポイントをチェックするのがおすすめです。
- 筆圧検知レベル
- 傾き検知
- スタンド
- ダイレクトボンディング加工(フルラミネーション加工)
- 必要な場合はOSの搭載・非搭載
筆圧検知レベルについては、人によって好みが異なるため、実際に家電量販店で試してみるのがおすすめです。
液タブで人気メーカーは下記の4つ。
- ワコム
- XP-Pen
- HUION
- GAOMON
中でも、初心者におすすめしたいのがワコムです。描き心地が抜群で、紙で描いているかのように描けます。
ぜひこの記事を参考に、自分に最適な液タブを選んで、創作活動を楽しんでください。