クロスバイクのサドルの高さは、適切に調整されていますか。
クロスバイクを購入してから、一度もサドルの高さを調節していないなら、すぐに調整しましょう。自分に合った高さにサドルを調節することで、クロスバイクの乗り心地は、格段によくなります。
そこでこの記事では、クロスバイクのサドルの高さを簡単に、かつ自分の体のサイズに最適な高さに調節する方法を解説します。クロスバイクのライドをより楽しくするために、欠かせない知識です。
目次
サドルの高さはどのくらいが適切?
クロスバイクのサドルの高さは、低すぎず高すぎないことが重要です。
ただ購入した段階では、誰もが乗りやすいように若干低めの高さに調節してあります。
そのため、クロスバイクを購入したら、自分の体のサイズに適した高さに、サドルを調節することは必須です。
サドルが低すぎると、クロスバイクの優れた走行性能を発揮できません。また不自然な姿勢になるため、乗車時に体を痛める可能性も考えられます。
逆にサドルが高すぎても、体に過剰な負荷がかかり、足を痛める可能性があるのでご注意ください。さらに、点灯する危険が高まるので、おすすめできません。
では、低すぎず高すぎないクロスバイクのサドルの高さとは、どのくらいのことなのでしょうか。
最適なクロスバイクのサドルの高さは、個人個人で異なります。
誰にも共通する適切なサドルの高さ、というものはありません。しかし丁寧に作業すれば、自分に合った高さを、簡単に見つけることが可能です。
次の項で、ご自身にとって最適なサドルの高さを簡単に割り出す方法について、解説します。
クロスバイクのサドルの高さを調節する
クロスバイクのサドルの高さを調整する際は、次のステップを踏みます。
- サドルを腰の高さに合わせる
- ペダルの位置を調整
- ペダルに足を乗せてサドルの高さを調整
- 適切なサドルの高さを確認して固定
クロスバイクのサドルの高さを調整するために、必要な道具が1つあります。それは、六角レンチ、別名アーレンキーです。
六角レンチは、クロスバイクの各種パーツを調整する際に活躍する、便利なツールです。クロスバイクに乗るなら、ひとつ用意して損はありません。
なお六角レンチを選ぶ際は、各種サイズがワンセットになったものを購入すると、あらゆる箇所のボルトを調整する際に使用できるのでおすすめです。
正しい高さを知る
クロスバイクのサドルの高さが最適な状態とは、具体的には次の3つの条件をいずれも満たす高さのことです。
- ペダルに足先を乗せた状態で、膝がピンと伸びる
- ペダルをこぐ際に、膝が軽く曲がる
- つま先立ちしても、地面に足がつかない
ご自分の身長に合わせて、サドルに乗ったり、降りたり微調整を繰り返しながら、この2つの条件を満たす高さに調整します。
ただしペダルに足先を乗せた状態で、膝がピンと伸びるといっても、ペダルのポジションがどの位置であってもよいということではありません。
ペダルの位置を正しく整えたときに、膝が十分に伸びた状態になるように、調節することが重要です。
正しいペダル位置の調節の仕方は後述します。まずは、サドルの高さ調整で目指すイメージを念頭に置いて、記事を読み進めてください。
サドルのボルトを六角レンチで緩める
クロスバイクのサドルの高さを調整する際の最初の作業は、サドルを固定しているボルトを緩めることです。
六角レンチを使用してボルトを緩め、サドルの高さを調整できるようにします。
手順は、次のとおりです。
- 六角レンチをボルトの穴にしっかり差し込む
- 反時計回りに回す
てこの原理を利用すると、ボルトが簡単に緩むので、お試しください。
このとき、ボルトの穴にしっかりと六角レンチをはめ込んでから動かすのが重要です。
ボルトの穴のサイズに合わない六角レンチを使ったり、軽くはめただけの状態でボルトを緩めようとすると、金属部分が削れてボルトを締めたり緩めたりできなくなるので、ご注意ください。
腰あたりの位置で仮止め
ボルトが十分に緩むと、クロスバイクのサドルを上下に動かせるようになります。
サドルを自分の腰より少し低い位置に調整して、いったんサドルを固定してください。
このとき、ボルトを固く締めるのではなく、かろうじて動かない程度の仮止めに留めるのがポイントです。
このあと、正しい高さになるように、サドルの位置を何度も微調整します。この段階できつくボルトを締めると、高さ調整の作業の手間が増えるので、仮止め程度に留めてください。
ペダルとシートチューブを一直線にする
サドルを腰あたりの高さに調整して仮止めしたら、次はペダルの位置を調整します。ペダルを回転させて、クランクとペダルがシートチューブの延長上にくるように、調整してください。
なおシートチューブとは、サドルを差し込んで固定しているチューブ部分のことです。
画像出典:WAGTAIL
クランクとは、ペダルとつながったアーム部分を意味します。
画像出典:CYCLE HACK
シートチューブとクランク・ペダルが一直線に並ぶような位置に調整したら、実際に乗ってサドルの高さを調整します。
土踏まずをペダルに乗せ足が伸びきる位置に調整
サドルにまたがったら、ペダル部分に土踏まずを乗せ、膝が伸びきる高さになるようにサドルを調整します。
このとき、地面に足がつきにくい高さになっています。
さらにサドルの高さを調整すると、爪先立ちしてもまったく地面に足がつかない高さになるので、歩道の縁石の側や大きな石、脚立などを活用しながら、サドルの高さを調整してください。
なお、クロスバイクを駐めるときに使用するキックスタンドを使って乗り降りするのは危険です。重さで、キックスタンドが壊れる可能性があります。
サドルの高さ調整をする際はキックスタンドは使用せず、必要に応じて台や脚立などを用意することが、安全に作業するために重要です。
つま先を乗せペダルが一番下で足が伸びきればOK
土踏まずをペダルに乗せた状態で、膝がまっすぐ伸びるサドルの高さを見つけたら、ペダルに足の指の付け根を乗せます。
すると、土踏まずをペダルに乗せていたときは、ぴんと伸びていたはずの膝が、くの字に曲がった状態になることに気づくでしょう。
そのままペダルを一番下まで回して、再び膝が伸びきった状態にしてください。
この、ペダルに足の指の付け根を乗せてペダルを一番下まで下ろした状態で、膝が伸びる高さが、クロスバイクのサドルの最適な位置です。
反対側の足はペダルではなく縁石や台などに載せながら、丁寧に調整してください。
前に出すことも可能
クロスバイクのサドルは、前後に動かして調整をすることも可能です。
また基本的に、地面に対して水平に設置されていますが、前後いずれかの高さを上げたり下げたりすることで、乗り心地に変化を与えることもできます。
クロスバイクのサドルの前後の位置や角度を調整する必要があるのは、次のようなケースです。
- 乗車中に腰が前に滑って安定しない
- 乗車中に腰がうしろに移動し、足の付け根などに痛みを感じる
- ペダルをこぎにくい
- ママチャリに乗車するときのように、体を真っすぐに起こした状態で乗車したい
サドルの位置 |
期待できる効果 |
サドルを前に出す |
ママチャリで立ちこするのと同じ感覚で乗車可能 |
サドルをうしろに下げる |
長時間の走行でも疲れにくくなる |
サドルの前を高くする |
前滑り防止 |
サドルのうしろを高くする |
足の付け根の痛み防止 |
サドルを前後や上下に動かす場合、固定しているボルトは逆ネジになる点にご注意ください。
緩めたり締めたりする際に回す向きは、サドルを固定しているボルトとは逆方向に、動かさなければなりません。
緩めるとき |
締めるとき |
|
サドルを固定しているボルト |
反時計回り |
時計回り |
サドルの前後上下を調整するボルト |
時計回り |
反時計回り |
サドルは、地面に対して水平な向きがもっとも乗車しやすいとされています。
購入した段階では、サドルは角度をつけたり前後に移動させたりしない状態で販売されているのが一般的です。
ただ個人の体格やペダルをこぐ際の癖などによっては、サドルを前後や上下に調整したほうがよい場合もあります。
サドルの前後や上下の調整は、必須ではありません。
まずはサドルの高さを適切に整え、それでも乗り心地に気になる部分があれば前後や上下の位置や角度の調整をするとよいでしょう。
このときも、少しずつ位置や角度を調整することが大切です。
大きく前後の位置や角度を変えると、乗車しにくくなることがあります。
微調整でも十分に効果を発揮しますので、微調整を繰り返しながら最適なサドルの位置や角度を探してください。
クロスバイクのサドルの高さを調節しないと起きること
クロスバイクのサドルの高さが適切でない場合、次のようなデメリットがあるので、注意が必要です。
- 乗り心地が悪くなる。
- けがをする可能性が高くなる。
- 見た目が悪い
乗り心地に影響大
クロスバイクは、乗り手が正しいポジションを取りながら乗車することで、はじめて高い走行性能を発揮できるように設計された自転車です。
サドルの位置が高くても低くても、ペダルに十分に力が伝わりません。
余分な力がかかるため疲れやすくなるほか、不自然なこぎ方になるためスピードも出ません。
また腰がサドルの上で安定しないため、前後にずれ込んで、乗り心地の悪さや摩擦による痛み、不快感を感じることもあります。
これでは、長い時間、安定して乗車することはできません。
クロスバイクと自分の体が一体になるようなサドルの高さを見つけることが、クロスバイクのライドを存分に楽しむための要です。
足に負荷がかかりけがの可能性
クロスバイクのサドルが高すぎると、ペダルが一番下に位置した際に、膝の裏が伸びきってしまうことがあります。
膝裏が伸びた状態で乗車し続ければ、膝に過剰な負荷がかかり、痛みが出ることがあります。けがの原因にもなりますので、ご注意ください。
逆にサドルが低すぎる場合は、足の動きが窮屈になります。
十分に足を伸縮させることが困難になるため、強い推進力が得られません。
また膝が曲がった状態でペダルに足に力を入れ続ける姿勢になるため膝や関節に負荷がかかり、けがすることが考えられます。
サドルの高さを調整することは、けがなく安全にクロスバイクに乗車するために欠かせません。
見た目もかっこわるい!?
クロスバイクに乗車する際は、腰を高い位置にして、若干前傾した姿勢で運転するのが正しい姿勢です。
しかしサドルの位置が高すぎたり、低すぎたりすると、乗車する際の姿勢が乱れます。さらに余計な部分に力が入るため、不格好な状態で乗車することになりかねません。
スタイリッシュでファッショナブルな乗車スタイルもまた、クロスバイクの魅力です。
しかしサドルの位置が適切でないと、見た目のかっこよさというクロスバイクのメリットは半減します。
高すぎも低すぎもだめ
クロスバイクのサドルの高さは、低すぎても高すぎてもいけません。何度も高さを微調整しながら、自分の体に合ったサドルの高さを見つける必要があります。
ただクロスバイクのサドルは、ママチャリよりも高い位置になるため、つま先を伸ばしても地面に足がつかない状態になります。
高さを調整する場合は、反対側の足はペダルではなく縁石や台などを利用し、けがしないように十分ご注意ください。
まとめ
クロスバイクのサドルの高さは、乗り心地や安全に乗車できるか否かを大きく左右する、重要な要素です。
しかし乗車する人によって最適な高さや位置、角度は異なります。次のステップで、丁寧かつ慎重に、調整することが大切です。
- サドルを腰の高さに合わせる
- ペダルの位置を調整
- ペダルに足を乗せてサドルの高さを調整
- 適切なサドルの高さを確認して固定
サドルの高さ調整という手間を惜しまなければ、驚くほどクロスバイクのライドが楽しくなります。
このあと早速、クロスバイクのサドルの高さ調整に挑戦してみませんか。